中国ビザは観光や業務、親族訪問など申請するビザによって条件が異なっておりますが、それに加えて申請者の条件により通常とは異なる規定が適応されるケースも非常に多く存在しています。
この記事では特殊な事例に関して、詳しく解説していきます。
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パスポート関係
パスポートに破損や汚れがある場合
パスポートに汚れ、破れ、染み等の破損がある場合には、宣誓書の提出が必要となります。
▼破損と認識される内容
- メモ痕(入国管理官が記入した物を含む)
- 染み(インク汚れや水濡れ等)
- ページの破損(落丁やページの大幅な破れ等は申請不可の可能性が大)
- 過度な汚れや触感の大幅な変化(非常に使い込まれて、パスポート全体に手垢汚れや酷い場合や、当時の張りがなくヘニャヘニャになっている状態の物)
- 過度の匂い(香水やアロマ等、過度な匂いを発する状態)
宣誓書について
決まったフォーマットはありませんがが、以下の項目が含まれている必要があります。
- 汚れや破損内容
- これによるトラブルに責任の負う宣誓
- 発行日
- 直筆署名
中近東~中央アジア国諸国に入国歴がある場合
申請時に提出するパスポートに以下の国への入国履歴がある場合は、渡航した経緯や目的を記載した用紙を別途提出しなければいけません。
【該当国】トルコ、パキスタン、アフガニスタン、シリア、イラク、イラン、キルギス、中近東~中央アジア国諸国、その他 紛争地域に該当する国。
※これらの国に長期滞在(1~2年)している履歴がある場合、ビザの審査に1~2ヶ月を有する可能性があります。
※入国に際してビザが必要な国の場合、パスポートにもビザが付いている必要があります。(※eビザ等の電子査証を除く)
≪提出書類≫
- 上記国に観光目的で入国した場合
→渡航理由書 - 上記国に業務目的で入国した場合
→出張命令書(会社の印鑑が必要)
出張命令書(サンプル)
※実際は黒字で作成して下さい。
【会社情報】会社名、住所、電話番号、代表者名、代表者役職、印鑑(角印)
【申請者に関する情報】姓名(漢字と英字)、性別、生年月日、国籍、パスポート番号
【出張内容】渡航先の国名と都市名、出張目的、出張先企業との関係、滞在期間、費用負担者(企業名)
渡航理由書(サンプル)
※実際は黒字で作成して下さい。
【申請者に関する情報】姓名(漢字と英字)、性別、生年月日、国籍、パスポート番号
【渡航内容】渡航目的(観光)、滞在期間、渡航先の国名と都市名、
パスポートに有効な「中国ビザ」や「居留許可」がある場合
申請時点でパスポートに有効なビザ(査証)がある場合は、取消依頼書の提出が必要となります。
取消依頼書(サンプル)
※実際は黒字で作成して下さい。
【必要項目】姓名(漢字と英字)、性別、生年月日、国籍、パスポート番号、有効なビザ情報(名称、有効期限)、放棄を依頼する文言、放棄する理由、真実である事の宣誓、発行日、直筆署名
パスポートにミドルネームがあるなど特殊な場合
パスポートの写真面ページに記載の名前に「ミドルネーム」や「HANAKO(CHRISTINA)」カッコがあるなど特殊な記載がされいる場合は、写真面ページの下部に記載されているバーコード欄を参考に入力します。
▼例1
【顔写真横の記載】
姓:YAMADA
名:HANAKO(CHRISTINA)
【バーコードの記載】
≪≪≪≪YAMADA≪HANAKO≪≪≪
【申請用紙の入力】
姓:YAMADA
名:HANAKO
と入力します。
▼例2
【顔写真横の記載】
姓:YAMADA
ミドルネーム:CHRISTINA
名:HANAKO
【バーコードの記載】
≪≪≪≪YAMADA≪HANAKO≪≪≪
【申請用紙の入力】
姓:YAMADA
名:HANAKO
と入力します。
国籍関係
外国籍の場合(アメリカ国籍以外)
外国籍の場合、国籍により条件が異なりますが、基本的な追加条件は以下の通りとなります。
《申請費用》
・通常の申請費用+1,100円(マルチビザは+2,200円)
《追加書類》
・在留カードの両面コピー(※有効期限は、最低でも申請するビザの申請有効期限以上が必要)
・旧パスポート(2015年を含むもの)※提出できない場合は、所持していない理由が記載された理由書が必要
アメリカ国籍の場合
アメリカ国籍の場合、条件が異なり以下の通りとなります。
《申請可能なビザ》
- 旅券残存期間:6ヶ月未満
→申請不可 - 旅券残存期間:6ヶ月以上、1年未満
→6ヶ月マルチ - 旅券残存期間:1年以上
→10年以内のマルチビザ発給(有効期限はパスポート残存期間により異なる)
《申請費用》
普通申請:28,250円
加急申請:34,250円
特急申請:37,250円
料金は半年マルチも10年マルチも固定となります。
《追加書類》
・在留カードの両面コピー(※有効期限は、最低でも申請するビザの申請有効期限以上が必要)
・旧パスポート(2016年を含むもの)※提出できない場合は、所持していない理由が記載された理由書が必要
ポイント
アメリカビザはビザ取得後、パスポートの更新を行って場合でも、新しいパスポートへとビザを引き継ぐ事が可能となっています。
中国国籍から日本国籍へと帰化している場合
各種ビザの通常の必要書類に加えて以下の追加書類が必要となります。
【追加必要書類】
- 中国籍の時のパスポート原本
※中国籍のパスポートが無効化(表紙の端切断+取消印)がされていない場合、無効化依頼書(書式自由)が必要。
※中国籍のパスポートを所持していない場合は、紛失や破棄の理由を記載した理由書の提出が必要。理由書に所定のフォーマットは無いが、個人情報及び紛失理由が記載されていなければならない。 - 戸籍謄本の原本(中国国籍の時の名前と帰化日が記載されていること。)
※現行の戸籍謄本に帰化前の情報が記載されていない場合は区役所にて追記して貰うか「改正前原戸籍謄本」を追加で取得する。いずれも発行から3ヶ月以内
※元中国籍の場合、中国ビザの申請の際には帰化のみ可能となります。入籍等の記載の場合は中国ビザは申請不可となり旅行証の取得が必要となります。
ポイント
過去に中国ビザを取得した事があり、現パスポートまたは旧パスポートに中国ビザがあり、ビザが載っているパスポート原本の提出が可能な場合は上記書類は不要。
但し、親族訪問ビザを申請する場合は戸籍謄本の提出が必須の為、ビザ取得歴があっても条件を満たす戸籍謄本が必要となります。
朝鮮籍の場合
日本在住の朝鮮籍保有者で日本パスポートを所持しておらず「再入国許可」で中国ビザの申請を希望する場合は、基本事項は日本国籍と変わりませんが、その他の外国籍と同様に過去の「再入国許可」の提出を求められます。
《申請費用》
- 通常の申請費用+1,100円(マルチビザは+2,200円)
《追加書類》
- 在留カードの両面コピー
※在留資格は特別永住者であること
※有効期限は、最低でも申請するビザの申請有効期限以上が必要) - 旧再入国許可(2015年を含むもの)
※提出できない場合は、所持していない理由が記載された理由書が必要
その他
未成年者の場合
未成年者の定義は日本の法律に則り、18歳未満となります。
▼追加必要書類
- 「保護者の同意書」
※同意書への署名は、申請用紙の代筆署名を行うものと同じ人が署名しなければなりません。 - 「両親のパスポートコピー」
※両親の離婚等により片親のパスポートコピーを提出出来ない場合、旅程を共にする者に親権がある場合は、片親のパスポートコピーのみで申請可能。親権が無い場合は、有権者の同意書及び身分証明書が必要。 - 「戸籍謄本」「在留カードの両面コピー(両親のいずれかがが中国籍の場合)」
※両親の何れかが中国国籍の場合は申請者が出生した時点で在留資格が永住であること(申請時ではなく出生時が基準)。永住以外の場合や、申請者の出生地が中国の場合は、中国籍を有するとみなされる為(中国側の見解)、戸籍謄本に国籍選択(日本国籍を選択しましたという旨)の記載が必要。記載がない場合は、中国ビザの申請が不可となり旅行証の申請が必要。
管轄地域外に住んでいる場合
中国ビザを申請する場合、基本的には現住所と勤務先の両方が、申請するビザセンター(領事館)の管轄地域内でなければいけません。
しかし、条件を満たす場合や、必要書類を提出する事で希望するビザセンター(領事館)での申請が可能な場合があります。
▼現住所が管轄内で勤務先が管轄外の場合
(例:大阪在住、名古屋勤務、大阪で申請希望)
→そのまま申請可能
▼現住所が管轄外だが勤務先が管轄内の場合
(例:東京在住、大阪勤務、大阪で申請希望)
→在職証明書を提出すれば、申請可能
Q&A「申請時の疑問点を解説」
Q:申請用紙は白黒印刷?カラー印刷?
申請するビザセンターにより異なります。
- 東京ビザ申請センター:カラーのみ
- 大阪ビザ申請センター:白黒OK
- 名古屋ビザ申請センター:カラー推奨
尚、印刷は必ず片面印刷となり(両面印刷は不可となります。)
Q:申請用紙のアップロード写真と申請時の原本は違っても問題ありませんか?
申請時の原本が企画を満たした写真であれば問題ありません。但し、申請用紙の写真の下にエラーメッセージが記載されている場合、その申請用紙は使用できません。
Q:申請用紙の入力を間違えた事に気が付きましたが、手書きで修正可能ですか?
手書き修正の可否はページと内容により異なります。
≪1ページ目≫
姓名、パスポート番号、有効期限、生年月日以外はOK
≪修正方法≫
二重線で消した跡、横に署名をした上で、正しい内容を記載。
≪1ページ目以外≫
二重線を引いて手書き修正が可能となっています。但し、修正量が複数ある場合や、全く異なる内容への変更などは認められない場合があります。
≪サインの修正≫
サインの書き直しは不可となります。
Q:申請用紙のサインの方法に規定はありますか?
申請用紙のサインは以下の点に注意して下さい。
- サインの書体はパスポートの顔写真ページにある署名と同じ書体で書く。
- サインは黒色のボールペンを使用する。青色や消せるタイプは一切不可。
- 未成年のサインは両親のいずれかが署名を行います。パスポートの署名を本人が行っている場合も同様です。
【署名方法】
山田太郎 山田花子(母)代筆
Q:ビザ取得後にパスポートを更新した場合、ビザはどうなりますか?
ビザにはパスポート番号が記載される為、ビザ取得後にパスポートを更新した場合、取得したビザは無効となります。
マルチビザ等の長期間有効なビザを希望する場合は、注意が必要です。
また、ビザ申請時の必要旅券残存期間とは別に、中国入国規定に「入国時6ヶ月以上」というものがあります。
ビザを有していても、入国時点でパスポートの有効期限が6ヶ月未満になると入国出来ない可能性がありますので、パスポートの有効期限が十分に残っている事を確認してから申請する事をお勧めします。
旅行会社に依頼する際の注意点
中国ビザの申請は非常に複雑であり、申請規則も頻繫に更新される為、人によってはハードルが高いと感じる方も多いかもしれません。
そのような際は、旅行会社の代理申請を依頼するのも方法の一つとなります。その際の注意点についてお話します。
個人申請よりも高いのは当然
旅行会社は中国領事館やビザセンターから特別な割引料金を貰っている訳ではなく、一般個人が申請する金額と同じ料金が発生しています。
その為「実費+手数料」という形の為、個人で申請するよりは料金が高くなってしまいます。その手数料にメリットがあれば利用すると良いでしょう。
▼自分でするのが面倒な場合
現在中国ビザの申請用紙はオンラインでの入力・作成が必要となっており、システム的に不完全な所が多く、良く分からないエラーで上手く進まない事が多々あります。パソコンが苦手な方や時間が無い人の場合は、旅行会社への依頼も視野に入れましょう。
▼日本語での対応を希望する場合
中国ビザセンターの職員は上手な日本語を話すスタッフが多い為、言葉の壁で苦しむ事はありません。とはいえ、スタッフは粗全員が中国人である為、日本人との対応を規模する場合は、旅行会社への依頼する事も視野に入れましょう。
▼ビザ申請に時間が掛かっている間にチケット代が上がってしまう。
中国入国には必ずビザが必要な為、航空券の取得前にビザの購入が望ましいですが、ビザ申請に手間取っている間に、チケット代金が上がってしまうという事も起こりえます。チケット代金の上がり幅は、ビザ申請を旅行会社に依頼する時の差額よりも高額になる事が多いので、多少の手数料を払ってでもスムーズにビザを取得する方が懸命な時があります。
▼交通費が旅行会社手数料を超える場合
少なくとも申請日と受領日の2回ビザセンターへ足を運ぶ必要がありますが、特に遠方からの場合、交通費が旅行会社へ依頼する場合の手数料を超える事もあります。
旅行会社へ依頼する時のNG行為
旅行会社へ代理申請を依頼する時に、これはやってはいけないというNG行為を紹介します。
▼申請料金が高いと文句を言う
旅行会社の申請料金は申請代金実費+旅行会社手数料となっています。
旅行会社に依頼する場合は、実費に旅行会社手数料が追加されます。旅行会社も実費だけでは会社を運営していけないので、手数料を徴収するのは当然です。
▼資料だけ貰って自分で申請する
これは絶対に辞めましょう。
旅行会社はこれまでの経験から、独自の資料を保有している事が多く、依頼者に資料を配布する事で申請がスムーズに進むようにサポートしています。
しかし、この資料や情報などのサービスは料金に含まれています。
最近でこそビザ申請は緩和の方向にありますが、ビザ申請は情報戦です。情報は旅行会社にとって商品となりますので、食い逃げの様な行為は止めておきましょう。
あと、申請する気もないのに質問だけするのも迷惑がられるのでは止めておきましょう。
良い旅行会社の見極め方
多くの旅行会社の中から、良い旅行会社を見つけるのは正直な所難しいです。
一つ言えるのは、料金が安い=良いとは言えないということです。
料金が安くても、「書類一式を代わりに持って行くだけ」という旅行会社もあります。
料金が高くても、「書類の事前確認、修正の補助などフルサポート」の旅行会社もあります。
また、オンラインで作成する申請用紙の代行作成の有無もポイントになってきます。
料金の中に、どこまでのサービスが含まれているのかを確認しましょう。
少しでも安く確実にビザ申請をする方法
インターネットで「中国ビザ 旅行会社」と検索すると沢山の旅行会社が出てきますが、どこを選んだらよいのか良く分からないと思います。
少しでも安く、確実にビザを取得する為にはどこを選んだら良いのでしょうか?
応えは、中国ビザセンターと直接の取引ある旅行会社を選ぶという事です。
全ての旅行会社が直接中国ビザセンターに申請を出せる訳ではなく、許可を得た旅行会社のみ代理申請を行う事が出来ます。
中国ビザセンターと直接の取引を行う事が出来ない旅行会社は、直接取引のある認定旅行会社への代理を行っています。
その為、金額、日数、情報収集などあらゆる面で直接取引を行っている旅行会社との差が生まれています。
まとめ&関連記事
ビザ申請に関する日々変わっています。新しい規定が発表された際は、こちらの記事も更新していきますので、申請予定の方は定期的にチェックしてみ下さい。