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中国の非開放地区と情勢不安定な地域について

中国には「非開放地区」と呼ばれる地域があり、外国人は立ち入ることが出来ません。

「非開放地区」とはなんなのか。説明していきたいと思います。

「非開放地区」とは?

「非開放地区」は軍事施設の近辺、国境付近、宗教・民族的に不安定な地域に多くあります。一番分かりやすい例は、チベット自治区です。

「非開放地区」は"どこが該当するか"ということは公に公表されておらず、情報の入手は非常に困難で、「実際に行って初めて分かる」というケースが多いです。

昔よりは大分減っているといいますが、それでも中国にはまだまだ数多くの「非開放地区」が残っています。(※社会情勢により逆に増えたりもあります。)

情報の入手方法は、「旅行者の体験談」や「中国現地の旅行会社に問い合わせる。」といった方法くらいですが、体験談は信憑性にかけ、"現地に問い合わせる"にしても旅行に申し込んでいるのでなければ調べてくれませんし。そもそも一般の方であれば問い合わせる方法が分かりません、、、。

非開放地区の具体的な場所「例えばどこ?」

私が実際に直接確認した「非開放地区」を少し、紹介していきます。

新疆ウイグル自治区:白哈巴村(2011年確認)

新疆ウイグル自治区のアルタイ地方のカザフスタンとの国境にほど近いところにあり、トワ人が住む昔ながらの村が残っており、美しい自然が広がっています。

新疆ウイグル自治区:尉犁県(2019年確認)

近くには、砂漠に住むロプノール人の住居跡であるロプノール人村(罗布人村赛)やタリム河を見ることができます。

新疆ウイグル自治区:可可託海鎮(2020年確認)

こちらは、新疆ウイグル自治区のアルタイ地方の富蕴県にあり、「コクトカイ国家地質公園」として、自然豊かは風景区が広がっている。モンゴルとの国境付近ということもあり、準非開放地区の為、”入境証・通行証”を取得しガイドと同伴であれば観光可能となっています。

新疆ウイグル自治区:ニヤ遺跡(昔から)

中国新疆ウイグル自治区ニヤ県にある古代都市の跡地。タクラマカン砂漠の南端にあり、最寄の町のニヤから砂漠に対応した車で125kmほど行く必要がある為、個人が容易に到達できる所ではありませんが、、、。入る為には”入境証・通行証”の取得及びガイドの同伴が必要となります。

新疆ウイグル自治区:ロプノール(昔から)

新疆ウイグル自治区バインゴリン・モンゴル自治州チャルクリク県からアプローチするかつての塩湖。

こちらもタクラマカン砂漠の北東部に位置する為、個人が容易に到達できる所ではありませんが、、、。入る為には”入境証・通行証”の取得及びガイドの同伴が必要となります。

新疆ウイグル自治区:タシュクルガン(2019年確認)

タシュクルガンは、新疆ウイグル自治区の西の端のカシュガルから更に西にある町で、パキスタンとの国境に程近いことで、バックパッカーにも有名な町です。

私が訪れた2011年の時点で、既に警備が非常に厳しく、全乗客が厳しいパスポートのチェックがありました。(※当時は他の都市では今ほどの厳しい規制はありませんでした。)

しかし、2019年時点で、タシュクルガン近郊は「非開放地区"相当"」の扱いを受けており、入るためには「通行証」や、またはその先の「パキスタンのビザ」を有していることが入域の条件となっているようです。

四川省:甘孜は!?

また、四川省のチベット文化圏の甘孜も近いうちに「非開放地区」になる可能性がある言われています。

ガイドブックの情報が全てではない「逆のパターン」

新疆ウイグル自治区:カナス湖

逆に、新疆ウイグル自治区のアルタイ地区の「カナス湖」ですが、2010年発行の「地球の歩き方」にはカナス湖があるアルタイ地区は「非開放地区」であるとの記載がされていますが、全てが非開放地区という訳ではありません。実際に2011年と2019年にカナス湖に行きましたが、問題なく入ることが出来ました。

非開放地区は、急に入れなくなる。

非開放地区となる所は、もともと以下の様なところが特徴的です。

  • 地域的・民族問題で情勢が不安定な所
  • 農村など近代の発展から取り残された所
  • 国境付近
  • 辺境地域

これらの場所はある日突然入れなくなることがあります。

尉犁県でのパターン

実際に私も2019年に"新疆ウイグル自治区の 尉犁県"に行こうと思った際に、事前に日本人が行った記録を見て確認していたのですが、

当日、最寄りの都市のコルラから 尉犁県行きのバスへの乗車後、バスターミナルからの出庫時に公安により降車を求められ、非開放地区である旨の説明を受け、あえなく旅行中止となりました。

今後、非開放地区は増えていく可能性が大きい

非開放地区の特徴と、近年の中国政府の色々な政策による社会問題を鑑みると、今後非開放地区は増えて行くのでないかと予想されます。

「甘孜」や「尉犁県」「タシュクルガン」などが例にあげられます。

非開放地区は、情報制限がかかる

自身が2011年に甘粛省のチベット文化圏を旅行していた際に、数日に渡り全域で国際電話が使用出来ない日がありました。

後日調べたところ、同日にチベット僧侶による抗議活動が行われていたようです。因果関係や使えなかった原因は定かでは有りませんが、単なる偶然とは思えません。

非開放地区に入る方法

それは”入境証・通行証”を手に入れる。です。

その中でも、必要な情報等が日本側で比較的はっきりと分かっているのは、「チベット自治区」だけでしょう。

チベット自治区の入境証の入手条件は「ツアーに参加する」または「ガイドを同伴させる」ことが主な条件のようです。個人旅行は認められず、ツアーやガイドが監視役を担っているのでしょう。

詳しくはチベット系に特化した旅行会社にお尋ね下さい。

それ以外の地方については、個人で情報を入手するのは困難でしょう。

まとめ

非開放地区となる所は、自然が美しく、歴史的建造物や美しい自然が残っていたり、観光としては非常に素晴らしいところが多いと思います。また旅行の玄人やバックパッカー等はこういった所にこそ魅力を感じると思います。それだけに残念です。

しかし、こういった微妙な方面に行く際は、中国という国柄、いつ何時立ち入りが制限されるか分からないので、起こりうる問題を視野に入れ、柔軟な対応が出来るようにプランを経てておくと良いでしょう。

間違っても、違法な手段で立ち入りを試みたりしないようにしましょう。

日中国交正常化直後などは、今とは比べられない程多くの「非開放地区」がありましたが、それに比べると今はかなり少なくなってます。中国の発展と供に減ったはずの「非開放地区」が、近年再度増え始めるというのは、寂しさを覚えてしまいます。

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