海外旅行に必要な「パスポート(旅券)」。基本的な申請方法については、基本編で案内しましたが、今回は、特殊な事例とその対処方法について紹介していきます。
査証欄増補申請
1回に限り40ページの査証欄の増補が可能。新規申請とあらかじめ申請しておくことも可能。
必要書類
- 査証欄増補申請書
- 増補を受けようとするパスポート(旅券)
- 現住所の確認できるもの(都道府県により異なる)
切替申請
申請可能な条件
- 有効な旅券を所持しているが、有効期間が1年未満になった場合
- 渡航先国の規定により、有効期間が1年以上ないと査証を取得できない場合
- 査証欄に余白がなくなった場合
- 旅券を著しく損傷した場合
- 記載事項の訂正を行ったが、その後、有効期限は1年以上残っているが新たな旅券に切り替えたい場合
必要書類
- 現在有効な旅券
- 新規申請に必要な書類一式
- 戸籍謄(抄)本※次に該当する場合のみ。
A.前回の申請時から戸籍の記載事項に変更がある場合
B.外国人または外国と身分的な関係があり、ヘボン式 ローマ字以外の氏名表記を希望する場合
C.一時帰国者など住民登録のない者
旅券の損傷
損傷具合によっては、新規発給が必要となる。判断はは各パスポートセンターや旅券窓口によるので、直接パスポートを持参の上、赴く必要がある。
国によりビザ申請や入国審査に影響が出る為、早急に対応することが望ましい。
申請のキャンセル
原則、いかなる理由(病気・事故含む)においても、申請の取り消し・キャンセルは出来ない。
発給制限事由に該当する場合
「一般旅券発給申請書」の表面「刑罰等関係欄」に該当する場合、申請の前に必ず各パスポートセンターや旅券窓口に予め問い合わせをする必要がある。
「渡航事情説明書」 及び、渡航が必要となることついての疎明資料等を提出し、審査を受けなければならない。 審査期間(1~2ヶ月)+査証取得の時間等も含め、スケジュールに余裕をもっておく必要がある。
(旅券の発給がされて場合においても、有効期間や渡航先の国や地域が限定された”限定旅券”になる可能性がある。)
"限定旅券"対立関係にある国への渡航する場合
対立関係にある国への滞在歴があり、入国に影響がある場合に、"限定旅券"申請し対応する方法がある。
【例】イスラエルの出入国スタンプや、ビザ(査証)がある場合、イラン、イラク、レバノン、リビア、サウジアラビア、スーダン、シリア、イエメン、ソマリア等の国々では入国が認められない。
逆のパターンに関しては、イスラエルの入国への影響はない。但し、最新の情報は大使館にて要確認。
申請方法
相手国に渡航する時に、有効旅券を旅券窓口に預け入れ、審査のうえ限定旅券の発給を受ける。預け入れた有効な旅券は、帰国後に限定旅券の返納と引き換えに返却される。
但し、入国に制限のある国の双方に一度の旅程で渡航する場合、状況により対応が異なる為、必ず事前にパスポートセンターや外務省に確認する必要がある。
必要書類
- 現在有効な旅券
- 日程表
- 指定書類
【国内】紛失・盗難・焼失にあった場合
旅券を紛失・盗難・焼失等に遭った場合は、各旅券窓口に「紛失一般旅券等届出書」を提出し、当該旅券を失効させ、新たに旅券発給申請を行わなければならない。
届出後に紛失した旅券が発見された場合でも、申請は取り下げらることは出来ない。
紛失の届出と新規申請は同時に行うことが出来るが、紛失の届出は本人申請のみとなり、代理申請は不可となる。
必要書類
- 紛失一般旅券等届出書 1通
- 写真(縦45mm×横35mm) 1葉(ふちなし。頭頂から顎までが32~36mm)
- 身分証明書(運転免許証等)
- 紛失・盗難等を立証する次のいずれか1通
A.紛失:警察署の紛失届受理証明書
B.盗難:警察署の盗難届受理証明書
C.火災:消防署等発行の罹災証明書
【海外】旅券を紛失・盗難にあった場合
渡航中に、パスポートを紛失・盗難等にて無くした場合、速やかに最寄りの警察機関にて盗難被害の届け出をし、その受理証明書の交付を受け、最寄の日本国大使館(総領事館)にて「紛失一般旅券等届出書」を届け出て、新規旅券または帰国のための渡航書の発給申請を行ななければならない。
「新規旅券発給」か「帰国のための渡航書」かは、個人で選択することが出来るが、最善の方法や選択については、大使館(総領事館)にて支持を仰ぐことが望ましい。
尚、「帰国のための渡航書」は日本への帰国専用の文書の為、原則直行便の利用のみ可能となるが、第三国の経由便を利用する場合、予め申し出ると共に確認出来る書類を提出することで対応可能な場合がある。
必要書類
紛失の届出
- 紛失一般旅券等届出書 1通
- 写真(縦45mm×横35mm) 1葉(ふちなし。頭頂から顎までが32~36mm)
- 警察機関発行の盗難、紛失証明書
- 身分証明書(運転免許証など)
パスポートの新規発給
新規申請に必要な書類一式
帰国のための渡航書
- 渡航書発給申請書 1通
- 「戸籍謄(抄)本」や「本籍地記載の住民票」等、1通(日本国籍を確認する為)
- 写真(縦45mm×横35mm) 1葉(ふちなし。頭頂から顎までが32~36mm)
- 手数料(\2,500相当の現地通貨)
※予約済の航空券のコピーや事情証明書等を求められる場合がある。
※帰国後、パスポートの発給を希望する場合、新規申請となる。
まとめ&関連記事
パスポートは海外において、命の次に大切なものとなります。その為、渡航中は勿論、渡航前においても、予想外のイレギュラーな事態が発生した際に、慌てることなく迅速に対応出来るように、対処方法と必要な書類を頭に入れておきましょう。
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