皆さん、旅行会社というと、どんなイメージを思い浮かべるでしょうか。
JTB、HIS、エクスペディアなどの超大手旅行会社でしょうか。
または、店頭においてあるパンフレットに載っているような世界各国に連れて行ってくれるパッケージツアーでしょうか。
今回は私が実際に旅行会社に入社して分かったことや、驚いたこと、想像とのギャップなどを紹介していきます。
旅行行会社に入社して分かったこと
旅行会社=パッケージツアーではない
旅行会社と言っても、一種、二種、三種、代理業など色々と行政上の種類があり、登録が違えば取り扱える業務内容も異なります。
そして、旅行会社=ツアー(所謂パッケージツアー)ばかりではありません。
ざっくりと大きく分けると次の3種類になります。ざっくりと説明していきます。
募集型企画旅行
所謂「パッケージツアー」がこの形態にあたります。
一般の方が一番イメージし易いのではないでしょうか。
受注型企画旅行
旅行者のニーズに合わせたオーダーメイドの旅行を手配するのがこの形態になります。
修学旅行や社員旅行などがこれに当たります。
手配旅行
航空券や列車の切符だけの手配を請け負うものになります。
余り知られていないことですが、これだけを専門としている中小規模の旅行会社が多かったりもします。
ホームページに載っているツアーは実際は取り扱っていないことが多い
旅行会社のホームページで「韓国!○○日間の旅!」「インド○○日間の旅!」といったページを見て問い合わせをしてみると、
「現在ツアーとしてはお取扱いしておりませんでして、しかし、個別にお手配は出来ます。」と言われた経験をされた方もおられるのではないでしょうか。
不動産等の「空物件」での客を吊るのと少し似ています。
先に紹介した「手配旅行」を専門としている旅行会社では、ツアーの取り扱いはしていないが、航空券やホテルの手配をそれぞれ個別に手配することはできるので、それをツアーのような見た目の広告で宣伝しているのです。
まずはお客さんの目に留まらないといけない為、その様な手法をとっている場合もあります。
※全ての旅行会社に同じことが言えるという訳ではありません。
大手の旅行会社も実際は下請け・外注していることが多い
大手旅行会社も一般の人であれば聞いたこともないような小規模旅行会社に外注していることが多い。
これはよくあることで、特にビザ(査証)の申請であったり、海外の田舎のホテルであったりした場合は、それに特化した小規模旅行会社に外注していることが多いです。
航空券はGDSというシステムで処理されている。
海外航空券を手配する専用のソフトを「GDS(Global Distribution System)」と呼びます。
この専用のソフトで航空券の空席確認、予約、発券、払い戻しまで全てを行います。
「12月15日、名古屋から北京行き、大人1枚」という問い合わせが入ったとします。
その場合、専用のソフトに「115DECNGOPEK」という風に専用のコードを入力して処理していきます。
(※15DEC=12月15日、NGO=名古屋、PEK=北京)
フライトキャンセル(欠航)の理由が驚き
フライトキャンセル(欠航)が発生する理由は色々とありますが、主な原因は「悪天候」です。こればかりは仕方ないのです。
しかし、気を付けないといけないい理由は「機材繰り」による欠航です。
結局の所、集客率が悪すぎる日は、コストに見合わないから「欠航」にしていまおうとしているのではないかと推測されます。
旅行会社側でも、大凡の空き状況は確認できるのですが、そういうフライトは直前でもガラガラで、最安値のチケットが残っていたりします。
悪天候で旅行を中止しても、全額返金ではない!?
「悪天候などで飛行機が欠航となり、仕方なく旅行を中止したが、旅行会社からは手数料を引かれた金額の返金となった。」
という経験をされた方もおられるのではないでしょうか?
旅行会社と契約した旅行形態にもよりますが、これは実際にあることで、これは正当なことになります。
全額返金してしまうと、旅行会社には1円も利益が残らず、人件費などを鑑みるとむしろ赤字になってしまいます。
その為、例え天候による旅行の中止であっても、「手配手数料」という形で幾らかの金額が差し引かれることがあります。
国家資格(旅行業務取扱管理者)は入社3年目以降の"研修"での取得がおすすめ
旅行業界の国家資格である「旅行業務取扱管理者」の取得を目指している方も多いと思います。
しかし、これ"かなり"難しいんです。覚えなければいけない項目が非常に多く、それなりに苦労します。
学生時代に取得する人や、勤務しながら独学で取得する人もいますが、基礎知識が相当ないと実際は困難であると思われます。
私も入社1年目で「通信教材」で勉強していましたが、見事に挫折しました。
旅行業界で生きていくと決めているならば、"研修"での参加が断然おすすめです。誰でも参加できる訳でもなく、参加さえすれば資格と取得できる訳でもありませんが、圧倒的に難易度は下がります。
”研修”に関しては、こちらの記事で紹介しています。